今回の彫金作品は ルチルクォーツのルースを使って
リングを作ることにしました。
この大きさのルースをリングにするには
どんなデザインがいいかなぁ・・・
何かピンとくるものがないまま・・・
とりあえず、ルースの枠を削っていきます。
よし、ぴったり!
次はいよいよデザインを決めないと、全体的な形が作れない。
やっぱり今回も、言葉を刻みたい。
あれこれ考えたり調べたりして、辿りついた言葉。
そこから思いついたデザイン。
ここまでくると、もう完成形が頭の中に出来上がるので一気にスピードアップ!
WAXをどんどん刻んでいきます。
WAX型 完成~~!
リングとしては、ちょっと大きすぎたかな~。
さて、スケジュールの都合上 無理を言って
1週間で仕上げてもらった鋳造が 上がってきました。
ここからは ひたすら磨きます。
前回のメダイのときもそうでしたが、
WAXの段階で かなりぴったりなサイズに合わせているのに
鋳造すると やっぱりルースがはまらない(笑い)
磨きとルースのサイズ合わせに、2時間・・・
そして、サイズを合わせたはずのルースを留めようとすると
なぜか上手く留まらず、石留めに3時間・・・
思わぬところに手こずって、結局仕上げに5時間もかかって
ようやく仕上がったリングがこちら!
そして昨日、サイト用に 撮影を頑張ってみましたよ。
自分が心を込めて作ったジュエリーを、魂を込めて撮影する。
幸せな時間です。
25年前に外国で買った雑誌を使って・・・
(物持ち良すぎ!?)
これ、すごく素敵に撮れたと思うんですけど♡
古いアート作品集の背表紙なんかも、カッコいいかな。
いろんなパターンを考えるのも楽しくて
気が付けば 煩悩の数だけ シャッターを押していました。
(つまり108枚・笑)
せっかくなので、ピンボケじゃない写真を全部残しておこう。
(108枚撮って、これだけか!笑)
今回刻んだ言葉は
「 HOCUS POCUS 」(ホーカス・ポーカス)
「ちちんぷいぷい」「アブラカダブラ」のような呪文の言葉です。
辞書で引くと、「ラテン語が起源、(奇術師などの)呪文、まじない、
手品、奇術、ごまかし、でたらめ、いんちき」 とありますが
一般的には 魔法の呪文とされているようです。
呪文って、ずっとずっと昔から伝わる言葉ですよね。
その言葉を発することによって 意味が分からなくても
言葉を発するための動機、想いがその言葉に乗って相手に届く、
そしてそれを信じる気持ちが 魔法のように、現実を動かしているのかもしれませんよね。
片方ずつに「HOCUS 」「POCUS」 と
文字をくり抜いています。
ルースの向きと文字の左右を考えて作ったのに
石留めをするときに きっちり向きを間違えて留めてしまった・・・
結果、想像以上に素敵な仕上がりになったから
これって、石が「ワシはこっちがいいんじゃ!」って言ってたのかな(笑)
さすが、魔法のリング!!
ルチルクォーツのルースは 透明の水晶の中に
お花みたいにルチルの針が伸びている タイチンルチルクォーツ。
どの角度から見ても迫力がある、一目惚れしたルースです。
天然石は 同じものが二つとない、
地球が作ってくれた この世でたった一つのもの。
そんなたった一つのためにデザインを考えて ジュエリーを作る・・・
たった一つの石のために・・・
大切な想いを込めた言葉・名前・呪文を添えて・・・
それを 大切な誰かのために・・・
そんな作品を作り続けたいな。
さて、次回も天然石のルースが課題。
友人のリングのお直し・リメイクです。
友人のイメージと 石のイメージ、
どちらも活かした素敵なデザインを考えたいな。
ひとつの作品を仕上げるまでに何カ月もかかってしまうけど ^_^;
次回のご紹介はいつになるかなぁ・・・