稲穂のリング

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今年の彫金作業は

「要望に応えて作る」をテーマに制作しています。

 

今までは、自分が気に入ったもの

自分好みに 自分が思い描くものを作ること多かったので

「どんな石を使うか」

「どんな感じのデザインがいいか」

人の要望を聞いて形にしていく・・・ということも

楽しんでいきたいなと。

 

自分が好きで作ることももちろん楽しいのだけど

誰かの、「こんなのがあればいいなぁ」を形にして喜んでもらえたら

さらに自己満足度を上げることが出来るから(笑)

 

 

さて

そんなふうに考えていたところに

ぴったりのタイミングで依頼がありました。

 

その名も「稲穂リング」

 

タイチンルチルクォーツのルースを使って

デザインは基本的にシンプルなもの

片側に「稲穂」を付けたい、米は8粒で!というリクエスト。

 

タイチンルチルクォーツで、ということですが

天然石はただ綺麗とか高品質とかだけではなく

これ、というご縁を感じて身に着けるものだと思っているので

今回は本人が気に入ったものを支給してもらいました。

 

さあ、まずはデザイン。

 

希望のイメージは デザインというか指示書というか(笑)

簡単なスケッチ画を描いてもらったので

私の技術で作れるものに置き換えていく作業です。

 

これは、かつての私の職業、建築や家具の設計に似ています。

クライアント様が希望するイメージを 予算内で

イメージに近い形にするために材料や収まりを考えて

設計図や組立図をプランニングしていく感じですね。

 

今回は、WAX型を使って成形することにしました。

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稲穂と米8粒は

石とアーム部分の太さ、全体的なバランスを考えて

かつ、私の老眼事情を踏まえて作りました。

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石の枠は一度割れるし

この米8粒は2回ぐらいやり直しました(笑)

華奢な細工は本当に大変(^_^;)

 

素材は、シルバーはアレルギーが出るかもしれないとのことで

ルチルクォーツの色合いにもよく合うK10と決めていました。

 

鋳造から上がってきた状態がこちら。

銀色に見えますが、削っていくと優しい金色になります。

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さあ、ここまでくれば折れたり壊れたりすることもないので

安心してガンガン磨いていきますよ~

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鋳造で少し縮んだので、石が入るように再調整。

あら、思ってたよりいい感じ!

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石留めをして、K10の刻印を打って完成!!

 

稲穂チーフなんて、なかなかないですよね(笑)

金色のルチルクォーツに稲穂モチーフ

末広がりの8粒。

 

まさに「豊穣」というイメージの、稲穂リング。

 

月に1、2回しか行けない彫金教室なので

かなりお待たせしてしまったのだけど

自分でも納得の素敵なリングが完成しました~!

 

自分の手元に残らないアイテムなので

写真もたくさん撮りました。

米8粒にピントがなかなか合ってないけど(笑)

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自分では思いつかないモチーフやデザイン・・・

 

それを形に出来たときの達成感は

やっぱり今までとは違います。

 

人に渡すものだし 大切にしてもらいたいなと思うから・・・

いつもみたいに「まぁいいか」という妥協が許されない緊張感もありますが(笑)

 

誰かがもし、こんな私に

「こういうものがあればいいなぁ」っていう声をかけてくれたら

それに応えられるように これからも腕を磨いていきたいと思います。