お花のフルーツタルト

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3月のある特別な日。

 

恒例の手作りスイーツは お花のようなフルーツタルトでした。

 

お花のようなフルーツタルト。

 

この、我が家では登場率の高いフルーツのタルトシリーズ・・・

 

タルトの生地に まろやかなカスタードクリームをのせて

その日の気分で 季節に合ったフルーツを飾るだけ・・・という

お手軽 かつ 豪華になる、とても重宝するスイーツです。

 

 

フルーツのタルト・・・と聞くと 思い出すのは

 

たしか、小学生の頃に読んだ、「アンネの日記」の中で

アンネ・フランクが書いていた

「フルーツタルトと女の子」 というタイトルの童話(?小説?)。

 

 

それは、こんなお話。

 

楽しみにしてケーキを買いにきた二人の女の子の様子を

うしろでそっと見ていた 「わたし」

 

二人の女の子は ケーキ屋さんでフルーツタルトをそれぞれ買って

お店の外に出て 食べようとします。

 

すると お腹を空かせた小さな女の子が通りかかり

羨ましそうに フルーツタルトを見つめます。

 

ひとりの女の子が お腹を空かせた小さな女の子に言います。

 

「これ食べたい?」

 

すると 一緒に食べていたもう一人の女の子が

 

「早く食べなさいよ、わたしみたいに。

その子にやったら、あなたのぶんがなくなるでしょ。」 と。

 

でも、優しい女の子は

 

「これ食べて。わたしは晩ごはんに帰るんだからいいの」と

 

お腹を空かせた小さな女の子に 自分のタルトを渡して立ち去ります。

 

 

二人の女の子が去ったあと 

嬉しそうに フルーツタルトを頬張る お腹をすかせていた小さな女の子。

 

その様子をうしろで見ていた 「わたし」 が 近寄ると

お腹を空かせていた小さな女の子は 「わたし」 に

 

「食べない? これもらったのよ」 と残りを差し出す・・・

 

「わたし」 は にっこり笑って ありがとう、と言って その場を去りました。

 

 

 

物語の最後に 「わたし」 は

 

『フルーツタルトで最高にうれしい思いをしたのはだれだったと思いますか?』

 

と 読者に問いかけます。

 

 

 

楽しみにしていたフルーツタルトを

早々に食べることが出来た 女の子?

 

お腹を空かせていて 運良くタルトをもらえた小さな女の子?

 

それとも

 

自分の分を お腹を空かせた小さな女の子に差し出した女の子?

 

 

フルーツタルトを食べた二人は もちろん嬉しかったはず。

 

 

だけど

 

自分は食べることが出来なかったけれど

自分が差し出したタルトを

お腹を空かせていた小さな女の子が嬉しそうに頬張り

 

その残りを また 欲しいと思っている誰かに

分けてあげようという気持ちになっている・・・・

 

そういう気持ちにさせた 心優しい女の子が

最高に嬉しい思いをしたのだと思う・・・ と 物語は締めくくられていました。

 

 

 

 

 

 

フルーツタルトって

 

食べた人も あげた人も

みんなが幸せになる 特別なお菓子だったのですね。