9月の誕生石でもあるサファイア。
最近は特にスターサファイアが人気みたいですね。
そういえば私もお気に入りのスターサファイアのリングを持っていたっけ。
25年ぐらい前に姉からプレゼントしてもらったブラックスターサファイアのリング。
某ブランドのシルバー製でとても気に入っていて、若い頃長い間愛用しましたが、
年齢を重ねた今の自分の雰囲気に似合うようリメイクすることにしました。
このリング、ブラックスターサファイアは横向きのオーバル型(楕円形)だと思っていましたが、
ルースを枠から外してみると実は丸い形!
枠のデザインで随分印象が変わるんだなぁと驚きました。
髪型で雰囲気が変わるみたいな感じ?(笑)
さて、このブラックスターサファイアという石。
ほかの色のスターサファイアに浮かぶスターは、内部に含有するルチルのインクルージョンが放つ白いスターですが、
ブラックスターサファイアの場合は、ヘマタイトのインクルージョンを内包していることが多く、
白というよりも金色に輝きます。
そんな金色のスターに合わせて、素材はK10を使うことにしました。
WAXもいつもより少し固めの紫色。
細かい細工をするのに向いていますが、いつものブルーに比べて柔軟性が少ないので
ぱきっと割れやすいのが特徴。慎重に扱わねば。
このあともう少しだけ削り込んで整え、鋳造に出します。
鋳造から上がってきたら全体を磨きます。
うむ、今回は石のサイズもばっちり!!なかなかいい感じですよ。
今回の石留めは、いつもの覆輪留めではなく玉留め。
ごまかしがきかないので緊張します。
星にちなんで5個の玉留めにする予定でしたがバランス取りに失敗し、なんとなく8個に。
ま、そんなこともあるさ。(適当すぎるわ)
サイドにも星にちなんで「☆」の飾りを刻んだのですが、
あまりにも下手くそなので見ないで~~
実は一度留めたときにルースがわずかに傾いてしまい、せっかく留めたのに外してやり直し。
でも諦めずに再チャレンジしたおかげでばっちり完璧な位置で留まりました!
(アトリエ1時間延長したけど)
なんだかんだで紆余曲折ありましたが、完成した姿がこちら!
黒い石に浮かぶ優しい色合いの金色のスターがK10にぴったり!
ちょっと高級感も出たかな(笑)
サイズがちょっと小さめなので、次回ほんの少しだけサイズ調整する予定。
(K10だからできるだけ小さく軽くしようという魂胆だった(笑))
我ながら大満足!まさに生まれ変わった印象ですよね。
もとのデザインも気に入っていたけど、思い切ってリメイクして良かった!!
さて、このブラックスターサファイアという石は、
普段は黒~グレーにぼんやりとした金色のシラーが浮かぶ感じなのですが、
光を当てるとくっきりと六条のスターが浮かびます。
わかりやすくするためにスマホライトを当てているのでちょっと色が飛んでますが、
この石も綺麗なスターが出ます。
キラッ☆
サファイアは鉱物的には「コランダム」という石の仲間で、赤いものを「ルビー」、赤以外の色が「サファイア」と呼ばれています。
だからサファイア=青い石ではなく、石の色はピンクやイエロー、パープルやカラーレスまでいろいろ。
そんな中のひとつ、ブラックスターサファイア。
ブラックスターサファイアは、「幸運の石」としても有名で、
持ち主に幸運、とくに勝利やツキをもたらすと言われています。
サファイアといえば、なんとなく誰もが思い出すのが「リボンの騎士」のサファイアですよね。
(ああ世代がバレる~)
そのサファイアは王子の姿のときは美しい黒髪。
(女性に戻るときは亜麻色のカツラを被るんでしたよね。)
そしてブラウンゴールドの瞳が特徴的でした。
黒い石にゴールドのスターが浮かぶこのブラックスターサファイアを見るといつもなぜか、
ちょっとミステリアスな影のある「リボンの騎士」のサファイアのイメージと重なるのです。
単純というか端的というか(笑)
だから、姉にもらった時点では黒髪のサファイア王子、
今回のリメイクで亜麻色の髪のサファイア姫になったという、そんなオチはいかがでしょう?
(オチ、別にいらんやろ)
(そうそう、今思えば「リボンの騎士」って、ジェンダーな時代の先駆けですよね。さすが手塚治虫!!)
最近は黒い石に惹かれます。
そんなときに偶然カメオ好きの友人から黒い瑪瑙のカメオをいただいちゃったり、
先日はずっと欲しかった糸魚川産の黒翡翠の小さな丸いルースも入手。
ということでしばらくは黒い石のジュエリーが続きそうなアート部でした。