今年も咲きました。 庭に植えてある、芍薬です。
芍薬といえば思い出すのが、小さい頃に見た夢。
以前にも「夢の話」のブログでも書きましたが、
遠い昔話の世界のような夢のなかで、
古いレンガ造りの塔の上から飛び降りた夢の中の老女(私)は
その下の芍薬畑がクッションになって、
助かった( というより、死ねなかった)という夢。
芍薬畑に寝転がったときの 花の感触、薔薇に似た甘い香り・・・
妙に今でも覚えているのです。
小学校の低学年ぐらいだった私が はっきりと夢の中で
「これは、芍薬の花」 と理解していたのが 今思えばとても不思議で
以来、この花は なんとなく私にとって 特別な花。
夢の内容からしてみても
芍薬って、もしかしたら本当に天国に咲いている花のひとつなのかも・・・と想像してみたりして。
さて、そんな芍薬。
芍薬は、英語名では「ピオニー」と呼ばれています。
これは、ギリシャ神話の中に出てくる医薬の神、パイエオン からきているそう。
そういえば和名の 芍薬 も 「薬」の字が付いていますよね。
平安時代に薬用植物として日本にやってきた芍薬は、
根を乾燥させたものを 生薬として用います。
女性ホルモン分泌を整えてくれるので、生理不順や、月経痛の緩和、
冷え性や貧血、更年期などの婦人病の全般に効果があるそうです。
また、こむら返りや 急激におこる筋肉の痙攣を伴う疼痛に
効果があるとして処方されるのは 芍薬甘草湯 という名前の漢方。
芍薬も 甘草も 痛み止めのお薬なんですよね。
おっと、調べているうちに、こんな豆知識を発見しました!
「 立てばシャクヤク、 座ればボタン、 歩く姿はユリの花 」。
そう、女性の美しい容姿を例えた有名なことわざです。
しかしこのことわざには、別の意味もあり、
シャクヤク・ ボタン・ ユリ の持つ効能を表現しています。
シャクヤクは 肝のトラブルを治し、
ボタンは 血の巡りを改善、
ユリは 精神を安定させる働きを持っています。
つまり
「すぐ腹を立てたりイライラしてしまう人にはシャクヤクを。
血の巡りが滞りだるさを感じている人にはボタンを。
神経衰弱で頼りなげな人にはユリを飲ませるとよいですよ 」 という
漢方の効能を表してもいるのです。
(※武田薬品 健康サイトより 抜粋)
な~るほど!と 妙に説得力がありますよね~。
生薬の知識として 覚えやすいかも。
見た目も美しく、 薬用としても万能。
さすが、才色兼備の 小野小町に愛されたという 芍薬!!
ちなみに・・・
芍薬と牡丹、花だけ見ていると 見分けがつきにくい・・・という方も多いようです。
芍薬と牡丹の見分け方で いちばん分かりやすいのは 葉っぱ。
牡丹の葉は 葉先がギザギザで 切れ込みがあり、
芍薬の葉は つるっと丸い形をしています。
芍薬は 根を生薬に使うくらいなので
毎年枯れて春に新芽からにょきにょき伸びる 草。
牡丹は 樹木 です。
なので、幹を見てもよくわかります。
芍薬ひとつで 長々と書いてしまいましたが・・・
いやいや、植物を語りだすと止まりません(笑)
ということで、今日はこのへんで・・・
(誰ですか? 薔薇とも見分けがつかない、なんて言ってるのは・・・)