明るさと香り

 

実は私、自分の部屋の照明にはずいぶんと無頓着でした。

 

もう10年ほど前から、部屋に居る時間って睡眠と着替えがほとんどだったし、

最近は夜も一階でレオ(愛犬)と過ごしているので、ますます部屋に居る時間が短くなって‥

パソコンを見るのに問題ない程度の明るさがあればいいか、と、

蛍光灯が切れたのを機に、3本ある蛍光灯のうち1本だけで過ごしていたのです。

電気代節約にもなるし(笑)

 

最初はさすがにちょっと暗いかなと感じたものの、慣れとは恐ろしいもので、今では全く違和感なし。

ですが、部屋で彫金作業をしようとしたときに、手元灯を点けてもまだ暗く感じる。

老眼か‥と諦めかけていたときふと、蛍光灯だ!と思い出したのですよ。

 

買い置きがなかったので急いでホームセンターへ。

3本とも変えたかったけど蛍光灯って2本セットかバラ売りしかないのでとりあえず2本買う。(3本買えって?笑)

さっそく付け替えてみると、別の部屋になったみたいな明るさ!

そして何故だか部屋が広く綺麗になったように見えるし!!

不思議なもので、それまでなかなか手に付かなかった彫金作業がすごい集中力で捗るではありませんか。

 

それだけではなく、面倒だったり億劫だったことがサクサク片付けられたり

長いこと行き詰まっていたことも動き出したり。

部屋を一段明るくするだけで、見えるものも考えることも変わったように感じたのは自分でも驚きでした。

 

 

インテリアにおける照明はいろんな意味で重要なポイント。

照明による光と影は空間に奥行きをもたらし、演出してくれるので

部屋の表情も自由に変えられ、照明器具そのものはインテリアの一部としても存在感を放ちますよね。

 

照明器具のデザインや照明の色味が重要なのはもちろんですが、

なんといっても「明るさ」が一番のポイントです。

これは昔仕事で使っていた、明るさを測るルクスメーター(照度計)。

デジタルですらない超アナログ(笑)。

今はデジタルどころか、スマホアプリで測れるんですね!便利になりました。

 

昔まだインテリアコーディネーターの仕事をしていた頃、照明についてがっつり学んだのですが、

照明って、「照明学」とか「照明工学」、職業では照明コンサルタントとか照明コーディネーターという名前が付いたり、

それ専門の知識が必要なくらい奥が深いもの。

 

簡単なものでいうと、生活の中での「明かり」について・・・

玄関は明るいほうがいい。

光が届きにくい部屋の隅が暗いと気が淀みがちになるのでスタンドライトなどで明るさを足す。

食卓の上の照明はできるだけ食卓の真ん中に・・・

逆にトイレ、お風呂、倉庫、クローゼットは明るくしすぎない。

明るい場所とのメリハリも大切なのですね。

 

とはいえ、自分が生活する場所なら何も難しく考える必要はなく、

その空間で過ごす目的を考えて、快適になる明るさに調整すればいいだけのこと。

明るさを感じる感度は人によって違うもので、大人と子供でも違ったりします。

なので、それぞれが心地良いと感じる明るさに調整する工夫が大切なのだと思います。

 

日々過ごす空間では、それが明るいのか暗いのか、ちょうど良い明るさがなかなか分かりません。

だから、「これって快適な明るさかな?」とまず疑問を持って、いろいろ試してみること。

変えてみないと気づけないことってありますからね。

 

また、別の場所に行ったり、旅先などで過ごした空間で心地良さを感じたら、

それをしっかり覚えておいて再現してみるのもいいかもしれません。

 

光による心理的効果はとても大きく、

「明るさ」って単なる輝度や照度の問題だけではなくて、気分も明るくしてくれますよね。

以前台風の被害で数日間停電していたとき、夜の暗さであっという間に気分が沈んでしまって

明るさはやっぱり大切なんだなぁと実感しました。

 

 

 

さて、明るくなって快適になった私の部屋。

 

仕上げは「香り」。

姉が買ってきてくれたデュフューザーで、よりスッキリした空間になりました。

これもまた不思議なもので、好きな香りが漂っているとその空間そのものが好きになるんですよね。

 

空間は、ちょっとした工夫で快適にできるもの。

 

「明るさ」と「香り」

自分にとって「心地良い」と感じるものを、ちゃんと見つけていきたいですね。