糸魚川産 黒翡翠のリング

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以前から糸魚川(いといがわ)産の翡翠が欲しいと思っていて、いろいろ探して見つけた黒翡翠の小さなルース。

地元の翡翠職人、伝説の名工が磨いた球体のルースで、

入手したときにはシルバー製のリングとして販売されていました。

ちょっとクラシックな感じのこのデザインも素敵なのですが、

でも実際この黒翡翠を手に取ってみると、シルバーよりもK18の輝きが似合う翡翠だ!と感じたので、

思い切って作り変えることにしました。

今まで扱ってきたルースと違い、球体の石は中心に細い穴が開いていて

リングの方に針のような芯棒を立ててその穴に差し込んで固定します。

だから石留めカンタン・楽ちん~♪と余裕で構えていたら

最後に石と枠の端をピシッと合わせるときに少しだけ苦戦しました・・・(笑)

 

が、仕上がりはこのとおり!

光を通さない漆黒にゴールドの輝き!やっぱりK18は違いますね~。

糸魚川産の翡翠はそれなりにお値段が高いので、地金もそれに見合うものでないと!

翡翠の大きさは8mm、バランスをみてリングのサイズは6号で作りました。

黒い石って撮影が難しい!!

肉眼では見えないホコリも反射で映り込むものも全部丸見えです(笑)

 

 

さて、この度なぜか強烈に惹かれた、糸魚川産の翡翠。

 

翡翠は2019年に日本の国石に選定されたそうですが、意外と最近なので驚きました。

 

翡翠は邪気を除け身を守るお守りとして有名ですよね。

また潜在能力を引き出すともいわれているそうです。

 

翡翠のなかでも、糸魚川の翡翠は約5億2000万年前にできたもので、「世界最古の翡翠」といわれています。

 

調べてみると、日本古代には翡翠の神様が存在していて、それはとても美しく賢い女神様だったそうです。

その名は「沼河比売(ぬなかわひめ)」。(現在は「奴奈川姫」の字が使われています。)

糸魚川周辺と特産品である祭祀具「翡翠」を支配していた巫女でもありました。

 

万葉集(巻十三 三二四七 作者未詳)には、翡翠の産地 糸魚川がある越(高志)の国にいた、

美しく賢いと評判の高かったこの奴奈川姫のために歌われた歌があるそうです。

 

『沼名川(ヌナカワ)の 底なる玉 求めて 得まし玉かも 拾ひて 得まし玉かも

惜(あたら)しき君が 老ゆらく惜しも』

 

(『沼名川(現在の糸魚川姫川)の底にあるという不老長寿のうるわしい玉(翡翠)。探し求める玉。

川底から見つけて得られる玉なのだろうか。手に入れて君に贈りたい。

玉のような君が年をとって老いるのが、ほんとうに惜しい。』)

 

 

愛する人がいつまでも美しく、若々しく元気でいてほしい・・・

そんな願いを込めた歌なのでしょうね。

 

そういえばこの黒翡翠を入手した際、

『当店の翡翠は全て地元で親しまれている神社(天津神社・奴奈川神社)にてお清めしております。』

と記されていました。

 

糸魚川市には奴奈川姫を祀る神社が2ヶ所あるそうですが、

それが「天津神社・奴奈川神社」なのです。

私のお守り石となった黒翡翠は、翡翠の神様のお清めを受けた、貴い翡翠だったのですね!

 

なんだか翡翠だけでなく奴奈川姫にもとても興味が湧いてきました。

コロナが落ち着いたら、糸魚川を訪れて、翡翠拾いや勾玉磨き体験もしてみたいし、

奴奈川姫の伝承地も巡ってみたいな~。

 

糸魚川駅前には玉を持った奴奈川姫像があり、願い事をし ながら握手すると願いが叶うと言われているそうですよ。

糸魚川を訪れた際には絶対握手しなくちゃ!

 

 

 

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そうそう、国石の話題が出たので、世界の主な国石をメモしておきますね。

いつかどこかで役に立つかも?(クイズ番組とか?笑)

 

アメリカ:サファイア

ウルグアイ:アメシスト

チリ:ラピスラズリ

フランス、インド、フィリピン:パール(真珠)

オーストラリア:オパール

スリランカ:キャッツアイ

ニュージーランド:ネフライト

ミャンマー:ルビー

イギリス、オランダ:ダイヤモンド

イタリア、アルジェリア:サンゴ

スペイン、ペルー:エメラルド

スイス:水晶

トルコ:ターコイズ

ドイツ:琥珀

ロシア:ガーネット

エジプト:ペリドット

マダガスカル:モルガナイト