庭の沈丁花

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先日 電車に乗ると
向かいの席に とても上品な奥様が二人座っていました。
そう、見るからにお上品。

それ以外の言葉が思い浮かばないほど 品があるのです。
(語彙の乏しさに問題が・・・)

 

その二人の奥様たちは どちらも小旅行の出で立ちで
シンプルで使い勝手のよさそうな
そして充分に使いこんでいるであろう キャリーバッグ。

 

服装やお化粧も 嫌味がない程度に「よそ行き」なのがまた素敵で
派手なブランド品などは一切なく、
でも そのコーディネートにぴったりと合わせて選び抜いたんだなと思わせる時計やアクセサリー。

 

何もかもが 上品で とにかく素敵。
そして何よりも素敵なのが

その身なり雰囲気を裏切らない 会話とマナー。

 

久しぶりに会ったと思われるそのお二人、
積もる話で盛り上がっているのですが

声を抑え 会話の内容も
けっして相手や周囲を不快にさせない内容なのですね。

(別に盗み聞いていたんじゃないんです、聞こえてくるんです・笑)

 

「11時半に待ち合わせの場所に着くから
先に○○に寄ってから そのあとお食事ね。」

 

「お食事」ですよ。「ごはん食べる」ではなく「お食事」!
普段 友人との会話では あまり言わないよねぇ・・・と思いながらも

その奥様から出るその言葉はとても自然で 心地良く聞こえたのです。

 

もしかしてセレブ?な感じの身なりと振る舞い・・・

年の頃は 70歳代といったところでしょうか。

その年代だからこそ 醸し出せる品位なのかもしれませんね。

 

なんというか・・・

 

人は 案外 「見かけどおり」 なのだな、と思いましたよ(笑)

 

乱暴な言葉を使ったり 軽口を叩くような人は
やっぱり それなりの風貌・格好をしているのですね。
私も気をつけなくちゃ。

 

 

今度は そんな奥様のお一人が

おもむろにバッグから携帯電話を取り出します。

 

ま、まさか スマートフォン!? それも 最新の。
そのスマホを もう一人の奥様に見せながら

最初は ふふ、年齢相応な感じね・・・というような

有名政治家たちのブログを網羅している話や (←この時点で セレブを確信しました・笑)

どこそこの(養老)ホームは 病院に隣接していてね・・・
地図はここ・・・みたいな情報のやり取りをしていたのですが

 

「最近はね、この『庭ブロ』っていうところを見て楽しんでいるのよ。

ほら、私の家は お庭がないでしょう。
だから よそのお宅のお庭の様子を拝見して楽しむの。

勝手にお友達のお宅みたいに親近感を感じててね・・・

ほらこちらのお宅!
こんな珍しい色のクロッカスが咲いているんですって。」
と お気に入りのブログを開いて 隣の奥様に見せています。

 
すると隣の奥様は

 

「まあ素敵!こんな色は私も見たことがないわぁ。

でもね、私もお庭でクロッカスを育ててるのよ、
こんな珍しい色ではないけど、すごく綺麗なんだから。」
と やはりお花が大好きなのでしょうか、
お花の話に 花が咲いていました。(←シャレか?)

 
自宅にお庭がない奥様も

お庭でクロッカスを育てている奥様も

 

それぞれに 自分に合った愛で方で 同じ想いを抱く・・・

 
とても素敵だな・・・と思いました。

 

 

今の時期 庭に咲いている花・・・

我が家には クロッカスは植わってていませんが

 

春一番を告げる 沈丁花の花が咲き始めました。

20150307

蕾から 一輪の花が咲き始めるとき
満開のときよりも 強く香るような気がします。
遠くまで漂う芳香力の強さでは、他の香木よりも沈丁花が一番。

 

その独特の芳華は お香と同じ効力を発揮して
強力に悪気を取り払ってくれ
そして、地を浄化する『力』をもつ植物とも言われています。

 

昔の人は 植物を ただ美しいと愛でるだけではなく
敬い尊び、崇めていたのでしょうね。

 

自宅にお庭がなくても

ご近所に植物を愛でる場所がなくても

 

お花を愛する気持ちがあれば

こうやって インターネットを通じてバーチャルな世界ででも

季節を感じ 香りを想像し 楽しむことはできるのですね、今の時代は。

 

 

庭ブロ・・・には登録していませんが (笑)

 

我が家の植物たちも

そんな誰かに愛でてもらえたら 嬉しいな。