毎朝目を通す新聞に、
懐かしい「ごんぎつね」の話題が載っていました。
愛知県半田市出身の、新美南吉さん作の、有名な童話です。
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いたずらばかりして村人を困らせていた小狐「ごん」が
村人「兵十」にもいたずらをして、そのいたずらのせいで兵十を傷つけ
そのお詫びにした好意で 逆に兵十に迷惑をかける。
反省したごんは、自分の力で償いを始め
兵十に毎日、栗や松茸をそっと届ける。
でも兵十はその意味がわからず神様のおかげだと思い込んでしまう。
ある日、またごんが栗を届けようと兵十の家に忍び込んだとき
またいたずらをしに来たと思って 兵十は ごんを撃ってしまう。
そこで初めて、ごんの償いに気付く。
「ごん、おまえだったのか・・・。いつも栗をくれたのは。」
ごんはそっとうなずいて死んでしまう。
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そんなお話なんですが・・・
この「ごんぎつね」の話を読んだとき、
子供心にもとても悲しい気持ちになりました。
ごんはたしかにいたずらで、
取り返しのつかないほど兵十を傷つけてしまうのだけど
(そのシーンも悲しかったなぁ。)
でももっと悲しかったのは
償いのつもりで一生懸命 栗を運んでいたのに
兵十にはその気持ちが伝わらなかったこと・・・。
(ごんにはそれしか償いの手段がなかったのにね。)
その気持ちがようやく伝わるのは、ごんが息絶えるときで、
今度は反対に、兵十が懺悔の気持ちに苛まれてしまうなんて。
子供向けのお話にしては、深くて難しいお話ですよね。
「好意(厚意)」というものは
なかなか伝わらない、伝えられないものなのかもしれませんね・・・。