繋ぐ

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先日の彫金教室で

少し時間が出来たので

 

昔 ロンドンのリバティ百貨店で買ったリングの

リメイクをしてみました。

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リメイク、といっても 今回は少し違います。

 

写真のルビーのリングは、憧れのリバティ百貨店で

シンプルなデザインとルビーの色合いが気に入って

どうしても欲しくて買ったリングですが

サイズが大き過ぎたので

 

日本に帰ってから宝石店でサイズ直しを依頼すると

「外国製品は K18ではなく K9(リングの刻印の表記は”375”でしたが)なので

サイズ直しができません。」と言われ・・・

 

ルビーを土台から外し、土台をK18に作りなおして

同じデザインでリメイクしてもらったものです。

 

そのとき、ルビーを外して 使えなくなった土台部分は

当時、換金もしてもらえずこのままどうすることもできずに

保管していました。

 

このリングだって、遠い外国で 誰かが心を込めて作ってくれたもの。

裏面に制作メーカーの刻印も入ってるし なんとか再利用できたら・・・

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そこで、ルースの枠部分だけを切って繋ぎ

シンプルなリングにしてみようと思いつきました。

 

それなら、空き時間にささっと仕上がるかな・・・。

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ルースの枠のぎりぎりで切り落とし

サイズを縮めながら 切り口を合わせ

ロウ付けして 繋げる。

 

もう一度、鋸目を入れて擦り合わせ

再び ロウ付けして繋ぎ合わせる。

 

ちょっと繋ぎ目が残って見えてしまうのだけど

なんとか無事に リングに復活!!

偶然、そのままサイズもぴったり!

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ルビーのルースを使ってK18で作り変えたリングと並べてみると

ゴールドカラーが微妙に違うのが分かりますが・・・

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これでまた リングとして身に着けることができます!

 

 

新しい作品を作ったり

新しいデザインにリメイクしたり

何か工夫を凝らすのも彫金の楽しみではあるのですが

 

今回は 切ったリングを繋いだだけ・・・

 

でも、なぜか、満足感で満たされています。

 

 

作り変えたルビーのリングを見るたび 無意識に

同じ場所に保管していた、無駄にしてしまった最初の土台への罪悪感を

私のどこかで 感じていたのかもしれません。

 

長い間 もう役に立たないと諦めて

見放してしまっていたものが

「繋ぐ」ことによって また役目を持てる・・・

希望をも 「繋ぐ」ことが出来たのかな、と思います。

 

役に立たない、ではなく

いつかまた出番が来たときのために スタンバイしておける状態にできたことで

自分自身の罪悪感から解放されたのかもしれませんね。

 

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プロではない私でも、2時間ほどで出来る作業・・・

 

切ってしまったリングを「繋ぐ」という 些細な作業ですが

ジュエリーを愛する私にとっては とても有意義な作業だったと思います。

 

 

 

 

さて、そんな彫金教室での出来事ですが

今取り掛かっているアイテムは 来週 鋳造から上がってきます。

 

楽しみだな~(^^)